2006/06/24 例会    田村高廣 追悼上映

       「泥の河」 1981年 日本   105分
 

    監督: 小栗康平
    製作: 木村元
    原作: 宮本輝
    脚本: 重森孝子
    撮影: 安藤庄平
    編集: 小川信夫
    音楽: 毛利蔵人
    美術: 内藤昭

    出演: 田村高廣      西山嘉孝
        藤田弓子      蟹江敬三
        朝原靖貴      殿山泰司
        加賀まりこ      八木昌子
        桜井稔        芦屋雁之助
        柴田真生子
        初音礼子

  第13回太宰治賞受賞の宮本輝の同名小説を、これが監督デビューとなる小栗康平が映画化。
  河口の食堂に住む少年と対岸に繋がれた船で売春を営む母を持つ姉弟との出会いと別れを軸に、
  社会の底辺で生きる人々の姿をきめ細やかに描いた人間ドラマ。日本が高度成長期を迎えようとしていた昭和31年。
  大阪・安治川の河口で食堂を営む板倉晋平の息子・信雄は、ある日、対岸に繋がれているみすぼらしい船に住む姉弟と知り合う。
  その船には夜近づいちゃいけないと父からは言われていた……。

  自主製作、自主公開という小さな取り組みから始まった「泥の河」は、欧米はもとより、旧ソ連邦、中国やアジア諸国にまでその配給をひろげて、
  製作から 二十年以上経た今日でも、名作として語り継がれている小栗康平監督の第1回監督作品です。
     

  昭和31年、敗戦後の日本の片隅で、けなげに生きている庶民の姿を、小栗康平監督が、初めての作品とは思えない手堅さで情緒豊かに描いています。   モノクロの映像がぴったりです。子役たちの自然な演技にいつの間にか引き込まれます。船上生活の子が無心に歌う軍歌には、ホロリとさせられます。
  また、マジックをして見せている、田村高廣の輝くような笑顔は何ともいえません。
  それに、春を鬻ぐ母を演じている、加賀まり子の妖艶さには、ハッとさせられます。  (Eさんのメールより)

 

  
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